はじめに:AIに奪われない現場作業とは
「生成AIが進化すると、多くのホワイトカラーの仕事がなくなる」
日頃からよく生成AIに触れている人であれば、このワードが現実になると確信しているのではないでしょうか。 私自身も生成AI沼にどっぷりはまっています。あまりにも進化が早すぎて、私の頭では最前線を常に追ってAIのみでお金を稼ぐのは難しいと感じています。
だからこそ、私はある決意をしました。 今回は、AI時代だからこそ逆に価値が高まると個人的に予想する国家資格、「電気主任技術者(通称:電験三種)」について紹介していきます。

なぜ電験が強いのか?AIに奪われない「独占業務」という法的防壁
電験が最強の資格と言われる最大の理由、それは法律で定められた「独占業務」にあります。
ビルや工場、発電所など、一定規模以上の電気設備を設置する場合、そこには必ず電気主任技術者を選任し、保安監督をさせなければならないと電気事業法で定められています。
これはAIがどれほど賢くなっても変わりません。AIは優秀なプログラムを書けても、実際に現場へ行き、高圧受電設備の前に立って「安全確認」をする法的責任を負うことはできないからです。
電験三種の難易度が変化?CBT方式導入で合格率が上昇中の「今」がチャンス
かつては「超難関」と言われた電験三種ですが、ここ数年で試験制度は大きく変わりました。 以前は「年1回・筆記試験のみ」の一発勝負でしたが、現在は「年2回」実施され、パソコンで受験する「CBT方式」も導入されています。
近年の合格率の推移(第三種)
一般財団法人 電気技術者試験センターのデータによると、直近の推移は以下の通りです。以前は合格率が10%を切ることも珍しくありませんでしたが、上昇傾向にあります。
- 令和元年: 9.3%
- 令和2年: 9.8%
- 令和3年: 11.5%
- 令和4年(上期): 8.3% / (下期): 15.7%
- 令和5年(上期): 16.6%
試験回数の増加やCBT導入に伴い、過去問の類似問題が出題される頻度が増えたと言われています。学習環境が整い、チャンスが広がっている今のうちに取得するのが賢明な戦略と言えるでしょう。
就職先に困らない?電験三種の活躍フィールド
電験三種を持っていれば、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物を取り扱えます。 「電気が通っていない場所」を探す方が難しい現代において、働く場所に困ることはまずありません。具体的な就職先は多岐にわたります。
- ビルメンテナンス会社(オフィスビル、商業施設)
- 再生可能エネルギー発電所(太陽光、風力)
- 工場、プラント
- 鉄道会社
電験×生成AIの活用法。色覚サポートや点検業務でのダブルチェック
では、電験の世界で生成AIは不要かというと、決してそうではありません。AIは仕事を奪う敵ではなく、現場の安全性を高めるパートナーになり得ます。
AIによるダブルチェックとヒューマンエラー防止
例えば、点検業務。最初に盤内の画像を撮影し、「どこに異常があるか」「作業前と作業後でスイッチの状態に間違いがないか」をAIの画像認識にダブルチェックさせる。こうした使い方は、ヒューマンエラーを防ぐ上で非常に有効だと考えています。
女性エンジニアにも追い風?「色覚」とAIの補助
この業界は圧倒的な男性社会です。経済産業省の資料によると、電気保安業界の女性比率は約4%、第一種電気工事士に至ってはわずか2%です。 しかし、生物学的な視点で見ると、女性の方がこの仕事に向いている側面もあります。それが「色の識別」です。
電気設備の世界では、配線の色や変色など、「色」の情報が非常に重要です。一般的に女性の方が色彩識別能力が高いとされています。逆に男性は、日本人で約5%(20人に1人)の割合で色覚特性(色弱)を持っています。
もし現場で「このケーブルの被覆、変色しているかな?」と迷った際、スマホをかざしてAIに「この画像の色状態を判定して」と聞くことは、眼鏡をかけるのと同じくらい自然な「補助」になり得ます。AIは人間の身体的な特性を補完してくれる頼もしい道具なのです。
核融合とEV普及で高まる需要。電気主任技術者の未来は明るい
最後に、少し夢のある未来の話をしましょう。 現在、世界中で研究が進んでいる「核融合技術」をご存知でしょうか。
従来の原子力発電とは異なり、安全性が高く、高レベル放射性廃棄物が出ない夢のエネルギーと言われています。もしこれが実用化されれば、電気代が劇的に下がる可能性があります。
電気が「タダ同然」の安さになれば、ガソリン車から電気自動車(EV)への移行が爆発的に進むでしょう。そうなれば、街のいたるところに電気ステーション(充電設備)が必要になり、それを管理する「電気主任技術者」の需要はさらに高まります。
まとめ:物理的なインフラを守る「現場仕事」の価値は再評価される
生成AI時代が発達していくにつれて、AIが介入できない「現場作業」の仕事の価値が上がるのは間違いありません。私たち人間が物理的な世界に住んでいる以上、物理的なインフラを守る仕事はなくならないからです。
「電験」所持者の仕事は、まさにその代表格です。
また、「現場仕事=力仕事」というイメージがあるかもしれませんが、個人的には電気主任技術者の仕事に、そこまで筋力的な意味での体力は必要ないと感じています。重いものを運ぶことよりも、測定器や工具を扱う手先の器用さや、的確な判断力が問われる仕事だからです。 都心にも多くの働き口があり、環境も整っているため、今後は女性比率も増えていくのではないかと個人的には思っています。
少しでも興味を持った方は、ぜひ書店の資格コーナーでテキストを手に取ってみてください。それが、安定した未来への第一歩になるかもしれません。


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