野村克也氏に学ぶ「直感」の正体|理屈を極めた先にある「根拠あるひらめき」とは?

野村克也監督の教えを象徴する、野球のベンチでデータ(クリップボード)を手に思考を巡らせる男性と、頭脳から放たれる直感の光のイラスト ライフハック

野村克也監督の著書『野村克也 全語録 語り継がれる人生哲学』を読んでいて、ある一文に目が釘付けになりました。

それは、「第258語 『第六感』とは、執念のひらめき」という章での言葉です。

勝負師に最高のものとされるのが、「第六感」だ。 (中略) 第六感は、あてずっぽうの「ヤマ勘」とは、まったく違うものである。わたしは、第六感とは、執念のひらめきだと考えている。 ―― 野村克也『野村克也 全語録 語り継がれる人生哲学』(プレジデント社)

「思考の人」野村監督が、なぜ「感じる力」を説くのか

著者の野村監督といえば、「ID野球」の代名詞とも言える存在です。 徹底的にデータを集め、頭を使い、対策を練る。誰よりもロジカルに野球を考えてきた方です。

そんな「思考の人」である野村監督が、最終的に「感じる力が一番大切だ」という信念を持っている。ここに、ものすごく大きな説得力を感じるのです。同書には、こうも書かれています。

相手を知り、己を知り、過去のデータを分析し、その状況を把握し、感覚が研ぎ澄まされたときに「これだ!」と出てくる。そのひらめきこそが、第六感なのだ。だから、理屈では説明できないかもしれないが、根拠はある。 ―― 野村克也『野村克也 全語録 語り継がれる人生哲学』(プレジデント社)

私は、この文章の中にある「理屈では説明できないかもしれないが、根拠はある」という考え方が大好きです。

直感は「あてずっぽう」ではなく「高速の思考」

一般的に、誰かに「根拠は?」と聞かれたとき、私たちは必死に言葉を尽くして、理屈で説明しようとします。逆に、うまく言葉にできない感覚や直感は、「単なる思いつき」や「あてずっぽう」として、理屈よりも劣るものとして扱われがちではないでしょうか。

しかし、この本は「直感も理屈と同じくらい大事である」ということを教えてくれます。

つまり、日々の膨大な思考や努力、データの蓄積が脳内で高速処理された結果、理屈を並べるよりも早く「答え」が弾き出される。それこそが、野村監督の言う「直感」の正体なのだと理解しました。

直感は「才能」ではなく「思考の量」で鍛えられる

この考え方に触れて、救われる思いがしました。なぜなら、直感は才能ではなく、思考の量で鍛えることができるものだからです。

  • 徹底的に考え抜くこと
  • データを積み重ねること
  • 自分自身と向き合うこと

これらを突き詰めた先にある直感だからこそ、私たちは自分自身を信じることができるのではないでしょうか。「理屈」と「直感」は対立するものではなく、理屈を突き詰めた先にある境地が直感なのかもしれません。

おわりに:積み重ねた自分を信じるということ

何かを決断するとき、理屈で説明できることも大切です。 ですが、それと同じくらい、積み重ねてきた自分自身が生み出す「根拠のある直感」も大切にしていきたい。

そう思わせてくれる、背筋が伸びるような一冊でした。 もしかしたら、今の私の決意表明も、そんな「根拠のある直感」から生まれたものだったのかもしれません。


【出典・参考図書】 野村克也 著『野村克也 全語録 語り継がれる人生哲学』(プレジデント社)


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